築地小劇場 <<築地さんぽ3月号>>

みずほ銀行築地支店のあるNTTデータ築地ビル。その一角にはかつて、築地小劇場が建っていました。

:往時の築地小劇場の姿

往時の築地小劇場の姿

同劇場は、1924年(大正13年)に土方与志と小山内薫によって開設され、芸術志向の強い新劇運動の拠点となりました。建坪約100坪、高い天井に可動式舞台、500席ある客席に加え、世界初の電気照明室という最先端の設備を誇りました。伯爵家出身の土方の資力あればこそです。

NTTデータ築地ビルの記念碑。題字は里見弴

NTTデータ築地ビルの記念碑。題字は里見弴

また、付属劇団も持ち、俳優養成にも力を入れました。劇場で育って活躍した俳優には千田是也や滝沢修などがいます。演目はチェーホフやゴーリキなど海外作品の翻訳演劇が中心で、後には坪内逍遥や武者小路実篤らの創作劇なども上演されました。同時に、プロレタリア演劇の活動拠点ともなり、築地警察署で拷問死した作家・小林多喜二の労農葬も、この劇場で行われています。

このように、日本の近代演劇史に大きな足跡を残した築地小劇場でしたが、1945年(昭和20年)3月の東京大空襲ですべて焼失してしまいました。今はその跡地にレリーフを施した記念碑が残るのみです。

築地さんぽ(本文用)