巨人優勝は“自打球”コーチのおかげ!?

2014年のセ・リーグは、巨人が3年連続36度目のリーグ優勝を果たした。今回は、そんな3連覇を裏で支えた陰の立役者を紹介したい。

■主力に誤算続出

今年の巨人といえば、鳴り物入りで加入したセペダの誤算に始まり、内海や阿部ら主力の不振、そして中継ぎ・抑え投手陣の不調などで、シーズン序盤は3位まで順位を下げた。その後も調子の上がらない主力に代わって、ケガから復活した亀井の活躍やルーキー小林、橋本らの台頭もあってセ・リーグ3連覇を成し遂げた。

実際に、主力の低迷する攻撃陣はセ・リーグ最下位の打率だったが、12球団イチの得点圏打率(.291)と、自慢の防御率(セ1位)を武器に戦った結果の優勝といえる(表1参照)。

表1

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■陰のMVP候補は!?

得点圏打率において陰のMVPともいえる活躍をしたのが、亀井ではないだろうか。優勝を決めた26日のゲームでも先制打を放つなど、4割を超える率を残している(表2参照)。その亀井の塁状況別打撃結果をまとめたものが表3。こちらをご覧いただいても明らかなように「走者二塁」の場面のみ3割を切っているが、その他全ての「走者有り」の場面でハイアベレージを記録している。

表2

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表3

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5月31日の1軍登録以降は、セペダと入れ替わるように起用され、交流戦でもMVPを獲得。その後もコンスタントに結果を出し続け、今の巨人に欠かせないピースとなった。開幕前に負ったケガで出遅れたシーズンとなったが、何が亀井をここまで進化させたのか。そのきっかけとなった人物こそ、今回ご紹介する陰の立役者である。

■亀井復活の立役者は??

さて問題です。現役時代に3球連続で「自打球」を当てた選手と言えば誰でしょう? 野球好きの方ならお分かりですね。そう、その方こそ今回ご紹介する陰の立役者で、現在巨人の2軍育成コーチを務める後藤孝志である。

亀井はケガのため2軍で調整していた際に、後藤コーチの指導を仰ぎ「ブラインドショット」という考え方を伝授されたという。結果的にそれがキッカケとなって復活を遂げた。

■その名も「ブラインドショット」

では「ブラインドショット」とは何なのか。それは、打撃結果を気にするのではなく(ブラインド)、とにかくボールをバットの芯に当てることだけを考える心理学トレーニング方法だという。この考え方は、後藤がヤンキースにコーチ留学した際に学んだ方法で、一流のメジャーリーガーも取り入れているという。

また、打撃不振に悩んでいた片岡も同様に、2軍調整していた8月に後藤コーチの「ブラインドショット」を身に付けたという。1軍復帰後は33試合で28安打を放ち、26日の優勝を決めた試合でも追加点となる2点適時打を放つなど好調を維持している。

主力に代わって試合を決めることができる脇役が多く存在するのも今シーズンの巨人の強み。そんな亀井や片岡らのように実力のある選手がキッカケを掴んで不振から脱出できたことは、今後CSへ向けて一番の戦力補強とも言える。「不審から抜け出すキッカケ」を与えられる後藤コーチの存在それこそが中盤戦以降の巨人の強さだろう。CSへ向け、貧打にあえぐ巨人打線を「ブラインドショット」で救うことができるか、後藤コーチの活躍から目が離せない。