NPB入りが期待されるマイナーのスラッガーたち

 9月を迎え日本ではプロ野球シーズンも佳境に入ってきた。一方海の向こうMLBのマイナーリーグでは一足先にレギュラーシーズンを終え、現在はプレーオフの真っ最中だ。今回はそのマイナーリーグで打ちまくりながらメジャーに定着できなかった強打者たちの中から、来年日本に来るのでは?という選手を独断で選出、皆さんに紹介してみたい。

 まずはどのようなキャリアの選手がこれまで日本にやってきているのか?という点を調べた。表1は2010年以降に規定打席に到達した、もしくは2ケタ本塁打を記録した外国人選手の一覧である。注目をしていただきたいのはマイナー実働年と年齢である。日本にやってきた選手のほとんどがマイナーで6年以上のキャリアを積み、多くが30歳前後であることにお気づきいただけるかと思う。これには理由があって、MLBの規定ではドラフトを経て入団した選手は6年間球団に保有権があるのだ。そして6年を過ぎてメジャーに昇格できない選手はフリーエージェントの権利を得ることができるのである。このため入団6年でメジャー定着というのが選手の成長の1つの目安となっているのである。これを踏まえて来日した外国人選手の特徴をまとめると次の2パターンが見えてきた。

表1

表1

1.マイナーリーグでのキャリアが6~10年、3Aで好成績を残すところまでは順調だったが、何度か昇格したメジャーでは確たる結果を残せなかったり、チーム事情でメジャーに昇格できずに、年齢的にそろそろエリートコースから外れそうな選手

例:バレンティン、メヒア、マートン、キラ、ブラゼル、ブランコなど

2.30歳を超え、オフには毎年フリーエージェントとなるが、メジャーでの経験もあるので緊急時の保険として球団がキープし、3Aでプレーしている選手。3Aでは常に好成績を残す実力がある。

例:ルナ、エルドレッド、ペーニャ、ブラウン、クルーズ、ロペスなど

この2パターンを踏まえて6人の選手を選出した(表2)。おすすめしたいチームと合わせてご覧いただきたい。

表2

表2

パターン1

■クリス・ディッカーソン(Chris Dickerson)、中堅手

2003年ドラフト16巡目でレッズに入団、俊足とパンチ力をいかして2008年にメジャー昇格するも2年目をピークに以降はしりすぼみ、外野手のバックアップとして年40試合程度の出場が続いている。今季3Aの試合では好調で、打率は3割、出塁率は4割を超えた。センターを守れる守備力と20盗塁を期待できる足があるので外野手や1番打者を必要とするチームにフィットするのではないだろうか。

お勧めしたいチーム>センター不在のヤクルト、外野手の層に不安のある楽天

■アンディ・マルテ(Andy Marte)、三塁手

2000年にアマチュアフリーエージェントでブレーブスに入団。21歳のシーズンに早くも3A昇格、ベースボールアメリカのトッププロスペクトランキングで9位となるなど将来を渇望されたが、三塁手としてはパワー不足なことと低打率によりレギュラーは獲得できなかった。今シーズンは3Aの126試合で19本塁打、打率は.329。3Aでの成績は年々向上しており、パワーも日本でやるなら十分だ。

お勧めしたいチーム>サードが埋まらない西武

パターン2

■ブランドン・レアード(Brandon Laird)、一塁手、三塁手

2007年に27巡目でヤンキースに入団。3Aでは毎年20本弱の本塁打と、80前後の打点を挙げている。今シーズンはインターナショナルリーグの打点王を獲得した。2009年にNBAの試合を観戦中に乱闘騒ぎを起こすなど性格面の不安はあるが、勝負強いバッティングに期待できそうだ。2012-13と2年連続でインターナショナルリーグ打点王だったメヒアに続く活躍に期待したい。

お勧めしたいチーム>ファーストが固定できない巨人、4番が決まらないロッテ

■マイケル・テイラー(Michael Taylor)、左翼手、右翼手

2007年5巡目でフィリーズに入団、フィリーズの最優秀マイナーリーガーとなり、ハラデーとのトレードでブルージェイズに移籍するなど一貫して高い評価を受けていたが、メジャーでは打撃面で結果を出せなかった。高い身体能力には定評があり、3Aでも安定した成績を残しているので環境を変えることで大化けの期待は持てるのではないだろうか。

お勧めしたいチーム>外野層が薄い楽天

■マーク・ミニコッツィ(Mark Minicozzi)、二塁手、内野全般

2005年17巡目でジャイアンツに入団。一度は解雇され独立リーグでプレーしたが2012年にジャイアンツに再入団を果たした。メジャー昇格の経験はなし。今シーズンは初めて3Aでプレーし、打率.298、OPSは.870を記録した。本職はセカンドだが、内野すべてのポジションを守ることができる。パンチ力があり選球眼もよいので二遊間に人材を欠くチームにはピッタリだ。

お勧めしたいチーム>内野手が不足する中日、日本ハム、西武

■アラン・ダイクストラ(Allan Dykstra)、一塁手

最大の掘り出し物となる可能性のある選手。2008年にドラフト1巡目でパドレスに入団。198センチ98キロの巨体で長打力と並はずれた選球眼が特長。マイナーリーグでは昇格するごとに成績を向上させており、2013年には2Aで102四球を選びメッツの最優秀マイナーリーガーにも選ばれた。今シーズンは初めての3Aで打率.280、16本塁打で出塁率は.426だった。これだけの結果を出しながらメジャーには呼ばれておらず、まさに来日適齢期といった印象を受ける。攻撃力アップを図りたいチームはぜひ獲得していただきたい。

お勧めしたいチーム>出塁率リーグ最低のロッテ、ブランコの去就が不安なDeNA