<プロ野球>進化するホークス リリーフ陣

 15日から行われたオリックスとの首位攻防戦を1勝2敗で乗り切り、何とか首位の座を守ったホークス。初戦ではエース・摂津正が右手に打球を受けて負傷交代、続く2戦目でも売出し中のルーキー・森唯斗がつかまり、37試合目にしてプロ初黒星を喫するなど、何とも後味の悪い連敗となってしまったが、3戦目では意地を見せた。武田翔太が7回を無失点に抑えると、五十嵐、サファテとつないで虎の子の1点を守り切り、オリックスとの差を3に広げた。

■僅差に強いホークス

 2戦目こそシーソーゲームを落としたものの、3戦目の勝利のように、僅差の試合をものにできているのが今年のホークスの特徴で、3点差以内の勝利は実に全65勝のうち40勝にものぼる。そして、それを可能にしているのが年々進化を続けるホークス・リリーフ陣の奮闘と言えるのではないだろうか。

表1

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 ホークスは今シーズンを迎えるにあたり、これまで中継ぎ・抑えに大車輪の活躍を見せてきたファルケンボーグに代わるリリーフ投手として西武からサファテを獲得。昨シーズンまでの五十嵐、森福、岡島らに実績十分な頼れる男が加わった。表1は、ここ数年のリリーフ陣の救援防御率推移をグラフ化したもの。

■4年連続2点台

 これを見て分かるように2009年のファルケンボーグ加入を機に成績が良くなっている。そのファルケンボーグは摂津、馬原孝浩(現オリックス)らとともにリリーフトリオを形成すると、2010年には12球団唯一の救援防御率2点台を達成。その後、摂津の先発転向や、守護神・馬原のケガ(2012年)などがあったにもかかわらず、森福ら若手の台頭や岡島、五十嵐らベテランの加入など、リリーフ陣全員でカバーした結果が「救援防御率2点台4年連続達成」という快挙に表れている。さらに今年は、このまま行けばこれまでを上回る成績を残す可能性があるのだから、リリーフ陣の活躍なくして今年のホークスは語れないと言っても過言ではない。

■五十嵐&サファテの活躍

表2

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 それをけん引しているのが、五十嵐とサファテ、両投手の活躍ではないだろうか。表2には、ホークス・リリーフ陣の今季の活躍を表した。セットアッパーを務める五十嵐は、プロ野球新記録となる月間12ホールドを達成するなど、これまで制球難に悩まされていたのがウソのように投球が安定し、防御率も0.81と抜群の成績を収めている。一方のサファテも、クローザーとしての地位を不動のものとしている。早くも広島時代の2011年以来となる30Sに到達。両リーグでの30S達成は史上初の快挙である。また、両者に共通して言えるのが、1点を守るシーンでの登板が多い中で、ともに本塁打を許していない点も評価に値する。

■サファテの意外な記録

表3

表3


 さらに、表3には今季のサファテの対戦カード別成績をまとめた。ここで特筆すべきは、サファテの今季の自責点だ。中日と楽天以外のカードで自責点が付いておらず、防御率も0.00。同リーグ対決で言うと、自責点を許した楽天戦は、1点を失ったものの勝敗に関係のなかった試合と、5失点を許して黒星を喫した計2試合だけ。その他では1点も失っていないのだから、スゴイの一言。また、分かっていても打てないのがサファテのストレート。ファルケンボーグとは違って投げ下ろす角度は少ないものの、キレと伸びを併せ持つそのボールで奪三振の山を築いている。馬原が打ち立てた球団セーブ記録の更新も時間の問題ではないだろうか。

■ファルケンボーグとサファテ

 ファルケンボーグとサファテ。入れ替わるように入団した両リリーフ投手。ともに残した成績は甲乙つけがたいところがある。ただ、サファテにはファルケンボーグがケガのため出来なかった連投が可能。その馬力で彼の抜けた穴を補って余りある活躍をし、チームの躍進を陰で支えていることは既に実証済み。一見、華々しい猛打に目が行きがちな今季のホークスのチーム状況にあって、サファテのカード別自責点0の記録はどこまで続くのか、今後もひっそりと気にしていきたい。