交流戦10周年 最強はホークス、最弱は?

20日に開幕するプロ野球の交流戦、今回は節目となる10度目の開催となる。そこでこれまでの9年を振り返りつつ今シーズンを展望してみたい。

<表1,2>

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圧倒的強さのホークス、負の歴史を払拭したいカープ

まずはこの9年のチーム成績から。表1と2はこれまでの戦績をまとめたものだ。交流戦で圧倒的な強さをみせているのは現在パ・リーグ2位のソフトバンク。最多4度の優勝を誇り、チーム別の対戦成績もセ6球団のすべてに勝ち越している。通算成績は141勝90敗、9年間で51もの貯金を生み出しまさにボーナスステージ状態だ。今年も当然期待は大きいのだが、唯一の心配は先発陣だろう。これまでは交流戦独特のゆとりある日程を生かし、強力な先発陣をフル回転させてきたが今年はエース摂津に例年の安定間がなく、10日出場登録を抹消されてしまった。エースの復調が5度目の戴冠へのキーになりそうだ。そのソフトバンクを追いかけ得るのが日本ハム。優勝こそ2007年の一度だけだがそれ以降負け越しはなし。対戦成績でも巨人以外の5球団に勝ち越している。ここにきてチームの調子も上がっているだけに今年も期待できそうだ。
一方のセ・リーグ6球団は近年成績がさえない。巨人が2012年にセ・リーグ初の優勝を果たしたものの、2010年以降に勝ち越したチームは5チームだけ。そのうち4度は巨人と中日というありさま。今シーズン驚異的な快進撃で首位を走っている広島も4年連続負け越し中で、勝ち越したのはスーパーエース・ルイスのいた2008、2009年だけ。2009年のロッテ戦では1イニング15失点、2011年には5試合連続完封負けを含む10連敗を喫するなど交流戦にいい思い出は少ない。ここまでの強さは本物なのか、20日の開幕からいきなりの対戦となるソフトバンク戦で真価が問われることになりそうだ。そしてその広島よりさらに勝てないのがDeNAである。2008年以降6年連続で負け越し中。ソフトバンク、オリックスに15もの借金を負わされているのをはじめ、すべての球団相手に負け越している。ただし今年は交流戦中にキューバの至宝グリエルがチームに加わる。さらに主砲ブランコも一軍に復帰した。打者有利な本拠地横浜スタジアムで指名打者が使用できる今シーズンはこれまでと一味違うところをみせられるだろうか。

<表3>

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8年目大崎ブレイクなるか、オリックス打線にも注目

次に交流戦で、活躍が予想される選手たちを紹介したい。まずは打者から。表3は交流戦打率がセ・パリーグ戦の打率を上回っている選手上位10人のリストである(交流戦通算150打席以上)。1位はなんと西武の大崎で、打率を1割1分も上昇させている。交流戦打率.352は150打席以上の現役打者でトップの数字だ。たまたまでは?と思われる向きもあるだろうがそうでもなさそうなデータがある。交流戦で150打席以上の選手のうち、リーグ戦より三振率(三振÷打席)が1%以上下がっているのはわずか7人、四球率(四球÷打席)が1%以上アップしているのは22人いるのだが、大崎はその両方に該当し、ともに2番目によい数字(三振4.2%ダウン、四球3.6%アップ)なのだ。三振が減って、四球が増えるのは打席でのアプローチが成功している証でもある。これまでレギュラーに定着しきれていなかった選手だが、今シーズンは過去最多ペースで出場が増えている。絶好のタイミングで始まる交流戦で遅咲きのブレイクを果たしてほしい。そのほかので注目はオリックスの2人、坂口と糸井だ。坂口は2011年の.412を筆頭にフル出場した5年のうち4度3割超をマークしている交流戦男、現在首位打者の糸井も交流戦は大好物でレギュラー定着後の5年すべて.310以上の打率を残している。オリックスにはほかにも高橋、山崎勝など交流戦のほうが好成績の打者が多い。ここまで2位と好調だが勢いはなかなか止まらなさそうだ。

<表4>

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そして先発投手のリストが表4である。こちらも意外な名前が並んだ。1位はソフトバンクの寺原。オリックスでの2年間で6勝を挙げるなど交流戦はめっぽう相性が良かったのだが、今年は開幕直前で故障してしまった。ソフトバンクではほかにウルフ、山田の両投手も好成績。ウルフは通算で7勝2敗、防御率の1.85も10先発以上の投手では中日の吉見に次ぐ2位の数字である。しかしこちらも18日の試合で右ひじを負傷して降板。寺原に続く戦線離脱となれば例年にない苦戦を強いられることになるかもしれない。セ・リーグで注目は広島の野村。現在は不調で2軍降格中だが、新人王となった2012年に防御率2.45で2勝、昨年も2.51で3勝と好内容、得意の舞台での復調に期待したい。