初出場vs2度目の挑戦 J1昇格POの行方は

いよいよJ1昇格プレーオフが開幕します。2012年に誕生してから、毎年のように熱いドラマが繰り広げられてきましたが、今年はどのチームがJ1への切符を手にするのでしょうか。今回は、今年の昇格プレーオフを先読みしてみたいと思います。

今年の昇格プレーオフの対戦カードは以下の通りです。
3位 福岡vs 6位 長崎   レベスタ
4位 C大阪 vs 5位 愛媛  ヤンマー
各チームの今季成績をまとめたものが表1となっています。このシーズン成績だけを見るとJ1昇格プレーオフ初出場の3位福岡が圧倒的優位といえる成績を残しています。
表1 順位表
一方でシーズン3位チームが昇格できないというジンクスも存在しています。J1昇格プレーオフは初出場ながら、これまでJ1参入決定戦(98年)J1・J2入れ替え戦(04年/06年)と各入れ替え戦に出場歴のある福岡だけに、このジンクスを破るに相応しい挑戦者なのではないでしょうか。

■福岡vs長崎 ~レベスタ~

それでは対戦カードごとに詳細をみていきましょう。まずはプレーオフ初出場の福岡に対し、2013年以来2度目の挑戦となる長崎の一戦から。

両チームの今季対戦成績をまとめたものが表2-1/-2です。2戦ともにスコアレスドローで、レベスタでの対戦成績も過去3年間で1勝1分1敗と五分の結果となっています。J1昇格を果たし、決着をつけられるか注目です。
表2ー1 対戦表

表2ー2 対戦表

◆チームの特徴

ともに堅守が売りの両チームは長崎がリーグ最少、福岡もリーグで3番目に少ない失点数を誇っており、1点を争うゲーム展開となりそうです。

そんな堅守同士の試合で必要となるのがゴールを決める力。1試合の平均得点は福岡=1.5に対し、長崎=1.0と福岡に分がある様子。特にシーズン後半戦の福岡は、失点数の少なさもさることながら、その得点力でここまで上りつめたと言っても過言ではないでしょう。
前半戦:得点24/失点23
後半戦:得点39/失点14
これは最後に直接対決した時に合流直後だったウェリントンの活躍、欠場していた中村北の復調によるところが大きく、全く別のチームになっていると考えたほうが良いかもしれません。得点力・守備力ともに備えた福岡は、長崎からすると非常に厄介な相手と言えます。

◆チームの勢い

福岡がシーズンを12戦負けなしの8連勝で締めくくったのに対し、長崎は最終5戦を1勝1分3敗と決して良い調子とは言えないのが現状です。

表3にはシーズン中の得点状況別勝敗をまとめました。福岡は先取点を取れば負けなし。シーズン通りの戦い方で通算13回記録した1-0勝利を目指すことがベストな戦い方と言えるでしょう。一方の長崎は、引き分けでは勝ち上がれません。しかも先取点を取られると確率的に勝ち目のない福岡が相手だけに、何としても堅守速攻で1点をもぎ取り、守り抜く戦い方が理想の戦い方となりそうです。
表3 状況別表

◆気象条件

そんな中、影響を及ぼしそうなのが気象状況。レベスタのある福岡市の予報は曇り、しかし夕方に雨が降る可能性があるなどゲーム展開同様、読めない天候となりそうです。

両チームの天候別成績をまとめたのが表4になります。長崎は「曇」の場合に1勝も出来ていないというデータが出ています。福岡はというと、こちらでも負けなし。「曇」の中で福岡が「先取点を取った」場合の負ける確率は0%ということになります。そんな福岡ですが、嫌なデータも存在します。それは「雨」の試合だと1勝2分1敗と成績が芳しくないのです。逆に長崎は3勝3分1敗と好成績を収めており、天候次第では福岡の好調を覆すこともあり得るかもしれません。
表4 天候別表

■C大阪vs愛媛 ~ヤンマー~

続いて1年でのJ1復帰を目指すC大阪と2度目の1ケタ順位が初のプレーオフ進出となった愛媛の一戦。表5にあるように今シーズンの対戦は1勝1敗で、ともにホームが勝利という結果に終わっています。そんな中、愛媛にとっては嫌な過去データも複数出てきました。
表5 対戦表

◆チームの特徴

この両チームは表6にまとめたように、ともに失点数が少なく、ほぼ互角の守備力を誇るチーム同士の対戦のようです。そこで試合を決めることになるであろう攻撃力は、C大阪が57点(1.4点/試合)なのに対し、愛媛は47点(1.1点/試合)と得点力に若干の差が出ています。
表6 時間帯別得点&失点表
また時間帯別に見た得点/失点状況でも両チームの特徴が見てとれます。
C大阪:得点/後半15分以降 失点/後半 にそれぞれ多い傾向がある
愛媛:得点/後半15分以降 失点/前半15分以降 にそれぞれ多い傾向がある
この条件からすると、攻撃を仕掛けるC大阪に対し、失点の多い時間帯を凌いだ愛媛がC大阪の弱点である後半にカウンターから得点を狙う展開となりそうです。

◆チームの勢い

序盤の勢いがウソのように失速したC大阪は、最終5戦を1勝2分2敗で終える形に。さらに残り1戦で監督交代するなど、そのチーム力・チーム戦術には疑問が残ります。対する愛媛は福岡に敗れはしたものの4勝1敗でシーズンを終了。勢いでは愛媛に分があるようです。

そんな勢いのある愛媛にとって気になるデータ(表7)も出て来ました。今回の会場となるヤンマーでは過去に1勝もしたことがなく、さらにC大阪相手には過去2勝10敗と大きく負け越しているのです。一発勝負の昇格プレーオフだけに、どのような結果が出るか分かりませんが愛媛にとっては決して相性の良い相手とは言えません。長崎の高木監督同様、愛媛の木山監督にとっても2度目の挑戦となる昇格プレーオフ。策士・木山監督が、これらのデータを覆すことができるのかも見どころです。
表7 気になるデータ