再生できるのは誰?トライアウト注目選手を紹介

11月10日に行われる12球団合同トライアウト。今年は投手34人、野手14人の計48選手が参加して静岡県の草薙球場で行われる。今年戦力外となった選手、独立リーグからNPB復帰を目指す選手、それぞれが狭き門に挑戦をする訳だが、今回はその参加者たちがそれぞれのリーグでどんな成績を残したのか?そしてその中からまだNPBで再び活躍できるのでは?という選手たちを紹介したい。

投手の注目選手は、二軍戦(ソフトバンクの選手は三軍戦)やルートインBCリーグ(以下BCL)、四国アイランドリーグ(以下四国IL)で記録したK/BBとWHIPが、好成績だった選手たちを紹介する。K/BBは奪三振数を四球数で割った指標で、三振を多く奪いながらも四球の少ない投手が高い数値になる。二軍レベルであれば2.5以上は記録したいところだ。もう1つのWHIPは1イニングあたりに許した走者数(失策、死球は除く)のことで、どれだけ支配的な投球ができていたかを端的に表している。こちらは1.10以下であれば好成績とする。

■右投手 安定感のあった玉置、元阪神・西村は防御率0.00

右投手の参加者は24人(表1-1、1-2)今季NPBでプレーした選手の中では玉置隆(阪神)に注目したい。今季は二軍戦でリリーフとして34試合に登板、防御率は3.93ととくに目立つ数字ではなかったが、34回1/3を投げて奪三振は42、奪三振率にすると11.01という素晴らしい数字を残している。一方で与四球の12も悪くはない数字で、その結果K/BBは3.50となかなかの好成績になった。これまではケガが多くなかなかチャンスが巡ってこなかったが、数少ない一軍での登板時も最低限の結果は残しており、一軍通算成績は20試合で27回2/3を投げ、防御率が1.95、奪三振率も9.43と期待の持てるものだった。阪神では同タイプの投手も多く居場所を失ったが、右の中継ぎの層に不安のあるチームであれば獲得する価値は十分にあるだろう。

表1

表2

右投手はBCLからも6人が参加する。その中でとくに成績が目立つのが西村憲(石川ミリオンスターズ)だ。阪神時代の2010年には65試合に登板した実績を持ち、今シーズンからプレーしたBCLでは抑え投手として26回1/3を投げて防御率0.00、WHIPは0.80という完ぺきな数字を残した。ただK/BBの2.88は今回の参加者の中では優秀な数字だが、リーグのレベルを考慮すると物足りない面も感じることは確かだ。
またオリックスの榊原諒もイニングは少ないながらK/BB7.50、WHIP0.96とNPBでプレーした投手の中では最も好成績を残していた。元新人王と実績も十分だが獲得に動くチームはあるだろうか。

■左投手 二軍では結果を残した加藤、正田は2度目のNPB復帰なるか

左投手は10人が参加予定(表2)。最も注目すべき成績を残していたのはこちらも阪神の加藤康介。一軍ではわずか2回1/3と結果を残せなかったが、二軍ではK/BB3.25、WHIP1.02と格の違いをみせていた。2008年のトライアウトにも参加の経験を持ち、その時は横浜(現DeNA)との契約を勝ち取ったが今回はどうだろうか。
四国ILで今シーズンのMVPに選ばれた正田樹(愛媛)は3度目のトライアウト参加となった。今年は四国ILで96回2/3を投げ、防御率は0.74、K/BB6.53、WHIP0.86とこれ以上ない好成績を残した。1度目のNPB復帰だった2012年、13年のヤクルト時代も防御率は2.84、2.87と安定していたこともあり、NPBでも最低限の結果を残せそうな雰囲気はある。先発も中継ぎも可能で使い勝手がよいことも評価が高いだろう。左投手は需要も高いことも考えるとNPB復帰の可能性は十分ではないだろうか。

■野手 長打力の佐藤賢治と、使い勝手のよい林崎にも注目

野手は打者のタイプを表すIsoP、IsoDと、選球眼の有無を計る要素であるBB/Kを中心に注目選手を探した。IsoPは長打率から打率をマイナスした指標で打者の長打力を表すもの。今回は0.150以上を優秀とした。IsoDは出塁率から打率を引いたもので、四死球での出塁力を表している。こちらは.100以上を優秀とする。そしてBB/Kは四球数を三振数で割った数字で、四球を選びながらも三振をしない打者が高い数値となる。二軍や独立リーグであれば1以上を記録したい。
今回の参加者(表3)からは強打者として佐藤賢治と佐藤貴規、好打者として林崎遼、三家和真を紹介する。佐藤賢は二軍戦で49試合に出場し158打席で5本塁打を記録、長打率は.470、出塁率は.399となかなかの成績。長打を打つ力は今回の参加者の中では最も期待できる上に、IsoD.119と出塁する力も備えている。若手に多くのチャンスを与える日本ハムの中では居場所を失ってしまったが、もう一度期待できるだけの成績は残しているといえる。ただ今シーズンは一軍の28打数で14三振とまったく結果を残せず一軍で悪いイメージを残してしまったのが気にかかる点だ。
表3

元ヤクルトの佐藤貴(BCL・福島ホープス)は今シーズン73試合に出場してリーグトップの30二塁打、長打率は.498を記録しIsoPは.173の好成績、盗塁も23個を記録した。もともとヤクルト時代の2012-14年にも打率は.308、.288、.300と安定して高い数字を残しており打力には期待が持てる選手だ。あとは課題と言われていた守備面がこの一年でどれだけ向上しているかがトライアウトでのポイントとなる。右投げ左打ちの外野手は近年飽和状態でNPB復帰へのハードルは高いものがあるが、果たして獲得に乗り出すチームはあるだろうか。
林崎遼は二軍戦で39三振に対して41四球を選びBB/Kは1.05を記録した。打率も.271とまずまずで出塁する力はまずまずのものが期待できる。また守備では今シーズン内野の全ポジションで守備に就いている。出塁力とユーティリティ性という使い勝手のよさを感じる成績を残しており、内野手の枚数に不安のあるチームにとっては最も獲得したい選手だろう。
元広島の育成選手だった三家は2013年のオフに戦力外となった後、2年間BCLでプレー、今季は63試合に出場して打率.は219と低迷したが、リーグトップの55四球とリーグ7位の20盗塁を記録して長所をアピールしている。まだ22才と伸びシロも感じられ今回の隠し玉的選手だ。