【サッカー】天皇杯名物!ジャイアントキリングをデータで振り返る

天皇杯といえば、プロとアマがサッカー日本一を争う大会。その大会において今や名物となっているのが、「番狂わせ」ではないだろうか。互いにプロ同士の戦い(J1、J2)によるものから、アマチュアがプロを倒す、いわゆる「ジャイアントキリング」と呼ばれる「大物喰い」まで、その与えるインパクトは様々。今回は、カテゴリーの垣根を越えた戦いだからこそ起こる、名物の過去を振り返ってみたい。

表1には、下位リーグ・クラブによる上位リーグ(プロ)喰いの歴史をまとめた(Jリーグが2リーグ制となった99年以降で調査)。それによると、上位リーグのクラブに勝利した回数は全部で121試合存在し、その約半数がJ2チームとJ1チームの試合によるものだった。
表1 ジャイアント(1)

そして「ジャイアントキリング」と呼ばれる、アマチュアチームがプロチームを撃破した回数は、全部で55試合。その内訳は、社会人が42勝、大学生13勝、2種登録チーム0勝で、JFL・地域リーグなどを含む社会人チームの方が学生チームに比べて、よりジャイアントキリングを起こせている。

99年以降で、プロに初めて勝利したアマチュアクラブはソニー仙台(宮城県代表)と水戸ホーリーホック(茨城県代表)の両クラブ。それぞれ99年にヴァンフォーレ甲府とベガルタ仙台(ともにJ2)に勝利している。以降、毎年アマクラブによる上位リーグ喰いが起きており、もはや天皇杯の名物といっても過言ではないだろう。

同様に、全13勝を挙げている大学生が初めてプロに勝ったのは00年で、関西学院大学がJ2ベガルタ仙台に勝利。J1相手にはその後しばらく勝利を得られなかったが、09年に明治大学が勝利を収め、初めてJ1クラブに勝利した大学サッカー部となった。
表2 ジャイアント(1)
不名誉ながらも99年以降の天皇杯でアマチュアクラブに多くの白星を献上したJクラブは、ベガルタ仙台の5回という結果が出ている。東京V、湘南ベルマーレがそれぞれ4回で続くわけだが、意外にも、ジャイアントキリングをされたチームとしてインパクトを残した2チーム(横浜FM:04年、J年間チャンピオンながらJFLザスパ草津に敗戦、浦和レッズ:09年、地域リーグ・北信越リーグ1部にいた松本山雅に敗戦)は、それぞれこの1試合のみの白星献上だったようだ。

続いて、表3にもあるように96年から出場が可能となり、天皇杯を盛り上げてきた2種登録チームについてもふれたい。公式戦の増加による日程的問題から14年を最後に今年から出場資格がなくなった2種チームだが、これまで延べ89チームが出場し、全21勝を挙げた。残念ながらプロ相手には勝利を収めることは出来なかったが、03年の市立船橋高校のように、Jリーグ王者であった横浜FM相手にPK戦までもつれ込むなど、その健闘ぶりは記憶に新しいのではないだろうか。
表3 ジャイアント(1)

初勝利は97年の愛媛ユース(愛媛県代表)で、アローズ北陸(富山県代表)を破り、2種登録チームが1種登録チームに初勝利を挙げる快挙を成し遂げた。それ以降、04年まで勝利を挙げ続けた高校年代だったが、出場チームの減少と比例するかのように勝利数も減少していき、12年の柏U18を最後に2年間勝利から見放されていた。

表4 ジャイアント(2)

カテゴリーを超越した真剣勝負が見られるオープンな大会である天皇杯にあって、高校年代の不参加はサッカー界の底上げという意味でも、少し寂しく感じる。そんな若い選手たちに夢を与える意味でも、ジャイアントキリングに注目して今大会も追いかけていきたい。