データで読み解く佐藤寿人の得点力の秘密

20日、広島のFW佐藤寿人が史上初となるJ1、J2通算200得点を達成した。この日は山形を相手に前半だけでハットトリックを達成、J1通算150得点も記録するなど、記録ずくめの1日となった。今回はそんな彼がこれまでに打ち立てた記録の数々を振り返るとともに、ハットトリックのこれまでについてもひも解いてみたい。

■記録ずくめの男 佐藤寿人

まずは戦歴を表1にそれぞれまとめたのでご覧いただきたい。今年で選手生活16年目を迎えるベテランは、歴代2位のJ1通算152得点を誇り(表1-2参照)、08年にJ2、12年にはJ1で得点王を獲得。さらに同年JリーグMVPにも選出されるなど、輝かしい実績の持ち主である。また、変わり種ではJ1最速得点記録も持ち合わせており、まさに記録ずくめの男と言える。

そんな彼の戦歴を調べていく内に、得点にある共通点が見えてきた。それが「場所を選ばないバランスの取れた得点能力」だ。

それでは表1-1をご覧いただきたい。ここでは通算記録とともに、部位ごとの得点数やホーム(H)&アウェー(A)での得点数もまとめた。彼の利き足は左なので当然のように「左足」で一番得点している。だが、それ以外の部位である「右」「頭」の得点数も決して少なくない。その上、2つはほぼ同数。

佐藤戦歴

身長170センチと小柄に分類される彼の身上は、相手のプレーを予測分析、そして相手の逆手を取ったプレーをすること。まさに体格差をカバーし頭脳戦でゴールを奪うスタイルがデータとして表れている。

■どこでも得点可能

また、場所を選ばないという意味では、H&Aでの得点記録数は圧巻。J通算のみならず、各カテゴリーでのH&A得点数が同じというのは驚きだ。さらに表1-3にあるように、ナビスコカップ通算得点数も堂々1位。部位、会場、カテゴリー、大会など様々な「場所」で結果を残せる選手だからこそ、これだけ得点数を伸ばせているのもうなずける。

佐藤 J1通算佐藤 ナビスコ通算

このまま行けばJ1通算得点記録も更新間違いなしの佐藤だが、今回記録したハットトリックに関しても中山と大黒の持つ日本人最多回数7回にあと1と迫っている(表2参照)。次項ではハットトリックの歴史をひも解いてみたい。

歴代ハット

 

■ハットトリック豊作年

Jリーグ開幕以降、多くの人を魅了してきたハットトリックだが、表3では年度別の回数をまとめた。J1で過去最多ハットトリック回数を記録したのは98年で、中山が4試合連続ハットトリックを記録した年でもある。この年は、他にも同日に5試合ハットトリックが達成されるなど、ハットトリック豊作の年だった。

年度別ハット

では次に、どこのクラブが多く記録しているのか、表4をご覧いただきたい。(※対象カテゴリーはJ1、J2、J3で、回数はこれまでのクラブ通算で名称変更前も含む)。最も多いクラブは、個人最多ハットトリック数を誇るジュニーニョ、エメルソンらを擁した川崎Fで断トツの25回。攻撃的なイメージにピッタリな結果となっている。

チーム別ハットJ1

チーム別ハットJ2

一方、被ハットトリック回数では、千葉と湘南が20回でワースト1位に。その両クラブも含め、被ハットトリック回数がハットトリック回数を上回っているクラブ(千葉、福岡、京都、札幌、湘南、神戸、仙台など)に共通して言えるのは、J1とJ2を行ったり来たりしているクラブが多いということ。カテゴリー間の力差を改めて垣間見たデータと言えそうだ。