【プロ野球】2015シーズンの日程を読む

開幕まで3週間を切ったプロ野球。当然各チームの日程も1試合(ヤクルト-中日)を除きすべて発表されている。この日程を詳しく見ていくと、様々な事実がみえてきた。本拠地での連戦の数、年間の移動距離、遠征の過酷さなどから明らかになった日程上の有利、不利をチームごとに紹介していきたい。(表1は主なポイント)

表1

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■日程の有利なのは中日、阪神、西武、ロッテ

今シーズン最も恵まれた日程で試合を消化するのは中日だ。総移動距離(表2、表3)こそ阪神を上回っているものの、そのほかの点で非常に恵まれた日程となっている。最も特徴的な点は2カード続けてのホーム開催が12球団最多の9回もあることだ。とくに5月後半には4カード(11試合)連続でホームゲームが組まれていてこれも12球団で最長だ。約半月の間地元で腰を落ち着けられるのは非常に大きいといえるだろう。また、後半戦の日程にも有利な点があり、夏真っ盛りの7月28日からはなんと20試合連続でドーム球場での試合が組まれている。ベテランの多い中日にとっては特にありがたい日程だ。さらに8月後半の遠征も神宮、横浜、東京ドームと関東圏のみとなっており、9月も広島、甲子園、横浜へそれぞれ一度ずつ移動する以外はすべてナゴヤドームでの試合だ。一方で5月上旬の長期遠征(甲子園→秋田→平塚→横浜)を除けば厳しい期間もなく全体として非常に無理のない日程となっている。

表2

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表3

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次に名前が挙がるのが阪神。総移動距離は12球団で最短であり、1回の移動距離でも広島から横浜への約790キロが最長と12球団で最短だ。東北、北海道、四国、山陰での試合もなく九州の試合もヤフオクドームでの3連戦のみだ。また9月の日程が今シーズンは恵まれた。とくに1日から21日の間ではホーム11試合に対してビジターは5試合のみ。例年失速するといわれる9月にホームゲームが多く組まれた点は大きいのではないだろうか。

パ・リーグでは関東に本拠地を置く西武とロッテが比較的有利な日程になっている。西武は4月5月に関東での連戦が多く、6月は移動距離が少ない。開幕4カード目の日本ハム戦がビジターながら東京ドームで行われるため、3日からの2週間を地元で過ごすことができる。さらに5月下旬にも交流戦の巨人戦が郡山での1試合を除いて東京ドームで行われるため19日からの2週間もほぼ地元での試合となる。また4月下旬からの1か月で3カード連続ビジターの試合が2回あるものの、ともにQVCマリン(千葉)での試合が含まれており長期に地元を離れる形にはなっていない。勝負どころの9月もホーム13試合に対してビジターは7試合とラストスパートがかけやすい形になっている。

ロッテは6月にホームの試合が集中した。交流戦最後の2カードをQVCマリンで行い、再開するリーグ戦の最初の楽天戦もQVC。一度旭川遠征があるものの2日の休みを挟んで5試合がQVCマリンで行われる。8日以降の25日間でビジターは2試合という日程は非常に恵まれたものだ。その後にオールスターを挟んでの遠征(大阪→オールスター→北九州→福岡→仙台)があるものの多くの選手がオールスター期間に休めることを考えるとさほど厳しいといえない。ほかに長期の遠征もなく9月の移動距離はパ・リーグ6球団で最短。他の4チームと比較すると有利な日程といえるだろう。

■厳しい日程の日本ハム 広島、ソフトバンクもなかなかハード

12球団で最も厳しい日程なのが日本ハムだ。移動距離が最長な上に長期の遠征も多くなっている。まず開幕2カード目から千葉→大阪→東京(東京ドームでのホームゲーム)→鹿児島→熊本で10試合の遠征が組まれ、6月から7月にかけては福岡→旭川(ホームゲーム)→所沢→函館→札幌→東京(東京ドームで対楽天1試合)→仙台→千葉という19日間がある。ホームでの試合もあるものの函館、旭川は札幌からの距離もあり移動を続ける毎日になる。8月にも所沢→仙台→千葉→東京(東京ドームでのホームゲーム)という2週間の遠征、9月には札幌から所沢に移動して1試合を行い、翌日札幌で試合という4日間もあり日程のハードさは群を抜いている。本拠地の立地が大きな原因ではあるが、札幌から遠く離れた球場でのホームゲームが多いことも遠征が増える要因だろう。2カード連続での本拠地での試合は12球団最小の4回ととにかく長期に地元で試合をすることがないのが特徴だ。また、9月の月間移動距離は推定で約12,000キロ。これは阪神の年間移動距離の約3分の2に相当する数字だ。

ソフトバンクも移動距離では日本ハムに匹敵、とくに9月の日程は厳しい。9月8日の旭川での試合以降は札幌→仙台→大阪とビジターゲームが続き、地元で3試合行った後に再び札幌→千葉→福岡という日本を2往復する日程だ。月間に2度札幌遠征を組まれているのはソフトバンクだけであり、それが大詰めの9月というのは実に不運だ。ただ地元での5連戦、6連戦が多くその点は日本ハムより恵まれた。

セ・リーグで最も厳しい日程なのは広島だろう。昨シーズンは4月にマツダスタジアムでの6連戦が2回という日程も追い風となり開幕ダッシュに成功したが、今年の4月は厳しい。開幕カードこそ地元で行うもののその後は4月下旬まで落ち着かない日程となった。長期の遠征こそないが松山でのヤクルト2連戦、前橋(上毛敷島球場)、宇都宮での巨人2連戦と地方球場でのビジターの試合が多くなっている。とくに前橋、宇都宮は昨シーズンの9月に巨人に3連敗しV逸の原因となった地だけによい印象はないだろう。また、8月から9月にかけてはセ・リーグで唯一ビジター9連戦が組まれ、9月にマツダスタジアムでの3連戦は1度だけという日程となった。優勝候補にも名前が挙がるところまで期待の高まったシーズンだが少なくとも日程は追い風にならなさそうだ。

■そのほかのチームの日程は?

セ・リーグの関東3球団は移動距離的にも大差はない。巨人は4月(横浜→甲子園→前橋→宇都宮)と9月(富山→金沢→横浜→甲子園)に遠征が多い点が気になるが、逆に8月上旬に福島での1試合を除いて東京(東京ドーム&神宮)での試合が続く。ヤクルトは神宮での連戦こそ少ないものの、東京ドーム→神宮、神宮→東京ドームの連戦が多く地元に落ち着く回数は中日に匹敵する。DeNAは長期の遠征がほとんどなく甲子園→那覇の連戦が目立つ程度、3、4月に横浜、東京での試合が多く4月の月間移動距離は12球団最小。昨年は広島、甲子園、九州への遠征もあり開幕から失速したが地元に張り付く今年はどうだろうか。

パ・リーグの楽天とオリックスは可もなく不可もなくといった印象。オリックスは交流戦の試合が横浜の3試合を除くとすべてドーム球場、雨の多い時期だが順調に試合を消化できそうだ。日程的に厳しいのは6月下旬の長期遠征(郡山→山形→千葉→函館→札幌)と8月末からの移動だろう。8月最後の千葉から仙台→神戸→所沢→千葉→札幌→大阪→仙台→所沢といったりきたりの日程が続いている。楽天はいまのところシーズン最後の8試合がすべてビジターで予定されている。優勝やAクラスを最後まで争うことになった場合には気になる要素だ。