【2015プロ野球】今シーズンはここに注目!

新年を迎え、プロ野球界でも選手たちが続々と始動している。今シーズンの開幕は3月27日、いまから開幕が待ちきれない方々のために、今回は2015シーズンの注目ポイントを4つ紹介したい。

■1. 交流戦が縮小、得するチームはどこ?

球界における今シーズンもっとも大きな変化が交流戦の縮小だ。2007年以降はホーム/ビジターで2試合ずつを行う24試合制で実施されてきたが、3連戦が行えないことによる日程の間延びなどが問題となり、今シーズンからはホームまたはビジターで3試合を行う18試合制に変更された。この変更によりホームでは試合のないカード、逆にビジターのないカードが生まれる。例えばヤクルトと日本ハムのカードだと、今シーズンはヤクルトホームの3試合のみ行われ、日本ハムホームの3試合は2016シーズンに行われることになる。

表1

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さてこの変更、交流戦を苦手とするチームにとっては朗報となるのだが、具体的にどのチームが得をするのだろうか?それをまとめたものが表1だ。これは特定の球場での試合を、極端に苦手としているチームを調べたもの。今回の変更が今年もっとも有利に働くだろうチームは楽天だ。楽天はナゴヤドームで現在9連敗中、さらに東京ドームでも最近5年間で3勝7敗、通算では6勝16敗と大きく負け越している。この2つの球場での試合がないのは大歓迎だろう。ほかではDeNA、中日、広島もメリットを受けそう。中日は2007年から13連敗したヤフオクドームでの試合がなし、DeNAは京セラドーム(2勝8敗)ヤフオクドーム(3勝7敗)での試合が今年はない。とくにDeNAは交流戦自体の成績が通算102勝156敗。これは12球団最低の成績なので、交流戦の縮小は願ってもない話だ。広島も5連敗中の札幌ドームでの試合がない。2014年は交流戦での失速が悲願の優勝を逃す大きな要因ともなっただけに、今回の変更は追い風となりそうだ。
2014年も交流戦で優勝した巨人がリーグでも首位にたって優勝したように、ペナントレースにも大きな影響を与えてきた交流戦。この縮小がどのような結果を生むのか、今シーズン最大の注目ポイントといえるだろう。

■2. ヤフオクドームにラッキーゾーン新設

表2

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2つ目の大きな変化は球界最大級の球場に導入される「ラッキーゾーン」だ。ソフトバンクは昨年末に現行の外野フェンスの前にフェンスを新設し、その中に新たな観客席を設けることを発表した。これにより両翼(100メートル)とセンター(122メートル)は変わらないものの、右中間、左中間(約115メートル)のふくらみが小さくなり、最大で5メートルフェンスが手前に寄せられることになった。また新たに設けられる外野フェンスは現行の5.8メートルより低い4.2メートルとなる。この新しいスペックはホームランがよく出ることで知られる東京ドームと近いもの。間違いなく試合の内容は激変するだろう。ではいったいどの程度の影響が考えられるのか?まず参考にしたいのはクリネックスタジアム宮城(現在は楽天コボスタジアム)に作られたEウイングだ。2013シーズンの開幕前に新設されたEウイングは、もともとのフェンスの手前に新たなフェンスを設ける形で作られた。これによって両翼、右左中間が約1メートル短くなった。その結果が表2。Kスタでのホームラン数は前年の38本から92本と約2.5倍に激増した。

表3

表3

この年は統一球問題の影響もあり、NPB全体でもホームランの数が1.5倍になったこと、マギー、ジョーンズという長距離砲が楽天に加わったことを考慮にいれても50パーセント増程度の影響はあったことがうかがえる。また東京ドームと同サイズという点からの検証が表3。これは外野への飛球(安打となったものは除く)と本塁打の割合を球場ごとに比較したもの。2014シーズンではNPB全体で外野への飛球のうち12.4%がホームランとなっているのに対し、ヤフオクドームでは8.8%だった。一方東京ドームの数字は16.6%とヤフオクドームの倍近い値となっていることがお分かりいただけるだろうか。この東京ドームのサイズに近づくとなればホームランの激増は必至、昨シーズンの倍となる140本程度が生まれる可能性も十分だ。

表4

表4

最後にメリット受けそうなソフトバンクの打者を考えてみたい。表4はソフトバンクの各打者がヤフオクドームで記録した外野フライの数だ。昨シーズン最も多くの外野への飛球を放っていたのは内川で61本、ホームランの数は6.6%にあたる4本だった。ホームランにならなかった飛球は57本もあり、最もホームランを増やす可能性を秘めているといえるだろう。自身初の20本塁打どころか30本すら期待できそうだ。

■3. 広島、5球団目の200万人達成なるか

表5

表5

次に注目したいのは黒田復帰に沸く広島だ。MLBでも上位の成績を残してきた黒田と、球界トップクラスの投手である前田健太が揃ったことでいよいよ24年ぶりの優勝も夢ではなくなってきた。そこで期待されるのが観客動員の200万人突破だ。2005年に観衆の実数発表が始まって以降、年間200万人の動員を達成したのは4球団。巨人、阪神、ソフトバンク、中日が2013年の中日を除いて毎年200万人を突破してきた(表5)。一方でほかの8球団は一度も200万人の大台に到達したことがない。日本ハムは2009~2011年にあと少しまで近づいていたのだがその後3年間は伸び悩んでいる。ここに迫ってきたのが広島だ。昨年は開幕から好調だったこともあり球団新記録となる190万人の動員を達成した。チームの人気が上昇する中で実現した黒田復帰、これによってすでに昨年を上回る勢いで年間シートが売れているともいわれ、今シーズンはさらなる観衆増加が期待できそうだ。三大都市圏+福岡のチームだけが突破してきた200万人という壁を、人口100万人強の街を本拠地とする広島が達成する意味は大きい。広島の観衆がどこまで増えるのか、その成績とともに要注目だ。

■4. 谷繁&岩瀬が大記録達成へ

表6

表6

最後の注目ポイントはプロ野球史に刻まれている大記録へ迫る中日の2人のベテランだ(表6)。まずは野村克也の持つ3017試合出場に近づく谷繁から。現在の出場試合数は2991試合。日本記録へはあと26試合となっており到達は濃厚だ。昨シーズンは週に1試合程度の休養を挟みながら91試合に出場、26試合目の出場は5月13日(チーム38試合目)だった。選手としての出場を脅かす存在もまだ表れておらずケガさえなければ昨年並みの出場は十分考えられるだろう。その場合大記録に迫るのは交流戦のころとなりそうだ。その瞬間を本拠地で見たいのであれば5月15日からの阪神3連戦か翌週の巨人3連戦辺りがねらい目か。
もう一人大記録に近づいているのが岩瀬だ。こちらは現在889試合に登板、金田正一の944試合、そしてプロ野球記録である米田哲也の949試合に迫ってきている。ただ、おととしまでの岩瀬であれば今シーズン中の記録達成も十分可能といえたのだが、昨シーズンは故障の影響で自己最少の34登板にとどまった。故障から順調に復活したとしてもクローザーとして起用されれば今シーズンの到達は難しいだろう。ただ成長著しい福谷や又吉がクローザー、セットアッパーに定着し、岩瀬が左のワンポイントというような形になるようなことがあれば可能性は0ではない。岩瀬が最後に60登板したのは2007年、40歳のシーズンで60登板は常識的に厳しいことは事実だが、岩瀬が常識はずれの鉄腕であることも事実。もし今シーズンのうちに日本記録到達となればそれは大偉業だ。鉄腕の今シーズンに最後の最後まで注目したい。