【プロ野球】最も勝ち運のあった選手は誰?

先週まで行われていた日本シリーズも終了し、プロ野球のシーズンも終わりを迎えた。野球好きにとっては長いオフシーズンの始まりだが、今回はさまざまなランキングを紹介しながら今シーズンを振り返ってみたい。

■勝てる野手は誰?スタメン勝率ランク

選手にとって最高の目的がチームの勝利である以上、スタメンの試合でチームが勝つことは選手としてもっとも喜ばしいことのひとつに違いない。今シーズンもっとも高確率でチームを勝たせたのはどの選手だったのだろうか。その結果が表1である。圧倒的な勝率で1位となったのは日本一に輝いたソフトバンクの控え内野手・金子という意外な結果となった。金子は8月2日の日本ハム戦で骨折した正二塁手・本多の代役として3日の試合で今シーズン初スタメン、2回にいきなり先制のタイムリーを放ってチームを勝利に導くと、以降12日までの7試合すべてに先発し、26打数9安打、打率.346の好成績でチームは9連勝、不動のレギュラーの離脱というピンチを見事に救った。今シーズン、ソフトバンクは金子がスタメンの試合で10の勝ち越し、最終的に貯金が18だったことを考えると非常に大きな貢献度だったといえるのではないだろうか。そのほかで注目は楽天のラッツ。6月に来日、7月21日までの14試合で打率.314、5本塁打、18打点と大活躍。チームもその間に大きく勝ち越した。しかし21日の試合でデッドボールを受けて骨折しシーズン終了、ようやく上昇気配を見せていた楽天にとっては大きなダメージとなった。また極度の打撃不振でダメ外国人の烙印を押された、オリックスのベタンコートもスタメン出場時は12勝5敗の好成績、自身の成績とは裏腹になぜかチームは勝ち続けた。セ・リーグではチームの勝率を1割以上も上回る.676という高い勝率をスタメン時に記録した、井端(巨人)の成績が目立つ。勝ちを知るベテランを獲得した巨人フロントの判断は正しかったといえるだろう。

表1

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■最もコンスタントな打者は?無安打試合ランク

スタメンで試合に出た以上、1本はヒットを打ちたいもの。表2はスタメン出場時に無安打に終わることが少なかった、多かった選手のランキングである。まずはベストから。1位の記録を残したのは、今シーズン守備に加え打撃でも飛躍を果たした広島の菊池だ。144試合すべてに出場し、無安打だったのはわずかに23試合。あのイチロー以来となるシーズン2度の20試合連続安打を記録するなど、年間を通じて大きなスランプもなく充実したシーズンを過ごした。そのほか上位にはセ・リーグの好打者が並んだ。2位の田中浩(ヤクルト)は今シーズンブレイクを果たした山田にポジションを奪われ、スタメン出場がわずか11試合。しかしそのうち9試合でヒットを放ち意地を見せている。一方ワーストのランキングには各チームの控えキャッチャーが多くランクイン。打力は二の次なポジションだけに仕方のないところか。規定打席に到達した選手の中でのワーストは楽天のジョーンズで46.4%、約2試合に1回はノーヒットだったことになる。セ・リーグのワーストは巨人の村田。チームトップの37試合でマルチ安打を記録する一方でノーヒットは55試合と好不調の波が激しい一年だった。

表2

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■バントの名手は?送りバント成功率

決めて当たり前ともいわれる送りバントだが、本当に当たり前のように決めていたのは誰なのか?表3は送りバント成功率のベスト&ワーストだ。今シーズン10回以上送りバントを試みた選手ですべて成功させたのは5人、その中でも最も多くバントを決めたのがヤクルトの上田だ。打率.210と不振に終わった一年だったが、それでも多くの試合で2番として出場できたのはこのバントによるものといえるだろう。同じく打撃不振に終わった片岡(巨人)もバントの失敗はわずかに1回、打てない中で最低限の仕事は果たしていた。パ・リーグで犠打数トップだった今宮(ソフトバンク)は成功率だと30位の86.3%、今シーズンのNPB平均83.2%とさほど変わらない数字となってしまっている。成功率のワーストには投手の名前が並び、岩田、藤浪(ともに阪神)、井納(DeNA)、内海(巨人)ともう少し勝てたのでは?という投手が目立つ。自身の勝ち星のためにも成功率を高めたいところだ。

表3

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■不運な投手は?好投しても負けた投手たち

最近、日本でもクオリティースタートという指標がずいぶん浸透してきた。6回以上3失点以下を先発投手の最低限の仕事ととらえるのであれば、6回以上を2失点以下なら好投の部類といえるだろう。表4は6回以上2失点以下の結果を出しながら負けた回数の多い投手たちのリストだ。今シーズンの公式戦でこの条件を満たした投手はのべ655人、そのうちの約60%の投手が勝ち投手となり、約12%が負け投手となった。この勝ち率、負け率から見て不運だったといえるのがメンドーサ(日本ハム)とモスコーソ(DeNA)の2人だ。メンドーサは両リーグ6位タイの14度も条件をクリアしながら、勝ち投手となれたのはその半分に満たない6度、モスコーソにいたってはわずか13度の好投でわずか5勝しか挙げられなかった。ともに今シーズンは10勝に届かなかかったが、内容はもっとよかったといえる。そして最も不運だったのが東明(オリックス)だ。ルーキーながら16試合に先発したが、この条件をクリアした好投時の勝敗はなんと0勝3敗、一度も勝てなかったのだ。仮にこの4試合に勝利していれば今季は9勝7敗、実際の成績である5勝7敗よりずっと見栄えもよかっただけに打線の援護のなさがもったいなかった。

表4

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■安定感のあるリリーフ、ないリリーフ、無失点試合ランク

最後はリリーフ投手のランキングを紹介したい。表5は今シーズン30試合以上に登板したリリーフ投手を無失点だった試合の割合でランク付けしたものだ。リリーフの投手の評価として防御率はもちろん重要だが、試合で点を失わなかった回数はその投手の安定感をより実感しやすいのではないだろうか。その安定感1位は序盤の快進撃を支えた一岡(広島)だった。31試合に登板して失点したのはわずかに2試合と抜群の成績、人的補償から一気にチームの中心選手となった。それだけに故障による2度の離脱は実に悔やまれる。2位は34試合連続無失点を記録した比嘉(オリックス)、3~5位はソフトバンクの3投手が並んだが、5位の岡島はこの好成績ながら先日戦力外通告を受けた。2012年にも開幕から26試合連続無失点を記録するなどリリーフとしての安定感には定評があり、どのチームが獲得するか非常に注目したい。ワーストで注目は平野佳(オリックス)。2位に躍進したオリックスの守護神だが今シーズンは実に20試合で失点した。とくに勝負どころの9月以降は13試合中6試合で失点し4敗、これがV逸最大の原因といっても過言ではないだろう。

表5

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