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【甲子園】躍進する東北、低迷する西日本勢

 今年で100年目を迎えた夏の全国高校野球選手権大会は16日までに3回戦が終了し、ベスト8が出そろった。その内訳は東北地方が2校、関東が4校、九州・沖縄が2校となっており、早くも近畿、中国、四国勢はすべての学校が敗退している。夏の甲子園でこの3地区の学校が1つもベスト8に残らなかったのは第76回大会以来21年ぶりのことだ。一方で東北勢は今大会で6校中4校が初戦を突破するなど活躍が目立った。かつては西高東低とも言われた甲子園も近年では様相が変わってきている。ここでは各地区の近年の甲子園での戦績をみていくことで、今の勢力分布を明らかにしていきたい。
成績を振り返るにあたって今回は今の3年生が入学後に行われた5度の全国大会(2013選手権、2014選抜、2014選手権、2015選抜、2015選手権)を対象とした。なお今大会分は16日の第4試合終了時点でのものとなっている。

■各地区別の勝敗は?

 まずは2013年の選手権大会以降の通算成績をみていただきたい。(表1)この期間で最も成績の良かったのは東北地区で勝率は.596、次いで関東の.588、北信越の.581が僅差で続いている。いまだに優勝校を輩出していない東北だが、近年の躍進は目覚ましいものがあり、とりわけ夏の大会では2013年が10勝、14年が9勝、15年もここまでですでに8勝とコンスタントに活躍が続いている。
表1
一方勝率のワーストは中国地方で.167、次に九州の.396、四国の.400となった。やはり西日本勢の低迷は近年の傾向となっているようだ。とくに中国地方は直近の5大会でわずかに4勝、1大会で2勝を挙げた学校もおらず極度の不振に陥っている。四国勢も13年夏こそ6勝を挙げたもののその後は3勝→1勝→2勝と勝利数が伸びず、今大会ではついに全校が初戦敗退を喫してしまった。

■層の厚い地区はどこ?

 各地区の勝率を比較しただけでは地区の実力の調査としては不十分である。その地区に一校だけ甲子園で勝利を量産する学校があれば所属する地区の勝率も跳ね上がるからである。そこで次に甲子園に出場した学校が甲子園で勝利を挙げた割合を比較した。その結果が表2である。
表2
 最も成績のよかったのはここでも東北地区となった。期間中に15校が甲子園に出場し、12校が甲子園で勝利を挙げている。この数字はどの学校が出場しても甲子園での勝利が期待できるレベルの実力を擁していることを示しており、地区の実力が確実に上昇していることがうかがえる。次に勝利校の割合が多かったのは東海地区で12校中9校が勝利を挙げていた。
 逆に勝利校の割合が低かったのが中国地区。期間中に出場した16校のうち3校しか勝利を挙げることができなかった。期間中に2勝したのも広島新庄ただ一校となっている。また北海道も7校が出場し勝利したのは2校、九州が28校中12校、近畿が23校中11校とここまでが勝利校の割合が半分以下の地区となっている。これらの地区では甲子園で勝利を挙げるレベルにある学校が少なかったということになり、地区の実力という点では物足りない結果となってしまった。

■甲子園で勝てるチームが多いのは?

 甲子園で勝ち進むのは、多くが何度も出場経験のある学校。いわゆる「甲子園経験」は勝利のための重要な要素である。そこで次に期間内に複数回甲子園に出場し、通算2勝以上している学校がどれくらいあるかを調査した。それが表3である。最も多かったのは関東地区の8校、次いで東北の5校となった。出場校に対する割合では東北が33%、関東が29%、次いで北信越が23%となる。これらの地区ではいわゆる強豪校が存在することになり、地区の好成績にもつながっていると言えそうだ。学校数が少なかったのはここでも中国地区、そして九州となった。中国はそもそもの勝利数も少ないため、この条件に当てはまる学校も広島新庄の一校だけとなった。九州では28校が出場したものの、期間内で強豪校といえる成績を残したのは沖縄尚学と九州国際大付属だけだった。継続的に好結果を残す学校が少ない、いわゆる戦国時代状態となっているようだ。
表3

■各地区の現況まとめ

 ここまで各地区の様々な数字をみてきた。これらのデータから見えてきた各地区の現状を最後にまとめて紹介したい
・北海道
 期間内の成績は6勝8敗とまずまずだったが、そのうち5勝は東海大四が挙げたもの。8回の出場で5度は初戦敗退しており、東海大四に続く存在の台頭が待たれる。
・東北
 今や日本有数の強豪地区となった感がある。仙台育英、花巻東、八戸学院光星といった常連校が甲子園で多くの勝利を挙げるだけでなく、秋田、山形勢といった長年甲子園で苦戦が続いた県の学校も結果を残し始めている。この勢いが続けば選抜出場枠の拡大も検討させることになるのではないだろうか。
・関東
 出場校が多いこともあり期間内最多の50勝を挙げた。勝率も.588と上々で「強い地区」といえるだろう。常連校が出場することも多い。中でも好結果を残しているのが群馬勢で期間内に出場した3校(5回)はすべて甲子園で2勝以上を挙げ全国優勝も果たした。今最も勢いのある都道府県ではないだろうか。
・北信越
 東北とともに全国優勝の経験がない地区だったが、2015年の選抜でついに福井の敦賀気比が優勝を果たした。期間内の勝率も.581と3位の好成績だ。この成績に敦賀気比の10勝が大きく貢献していることは間違いないが、敦賀気比の成績を抜いても成績は15勝16敗とまずまず。日本文理、富山第一などが甲子園8強に進んでおり東北と並んで躍進の目立つ地区だ。
・近畿
 近年は大阪桐蔭一強状態となっている。期間内の成績も大阪桐蔭を除くと20勝28敗と大きく負け越している。とくに和歌山、奈良、兵庫勢の不振が目立つ。和歌山は期間内0勝、奈良と兵庫が2勝。これらの県には智弁和歌山、天理、報徳学園などのかつての強豪校が存在したがいずれも近年は低迷、これが地区の不振にも直結している。
・中国
 ここまででも明らかになったように最も不振が目立つ地区となっている。とくに地区の勝ち星の多くを稼いできた広島勢不振の影響は大きい。
・四国
 高知の明徳義塾と、徳島の鳴門、四国12勝のうち8勝はこの2校が挙げたもの。この夏の不振もこの2校の初戦敗退が大きく響いてしまった。全国優勝10度を誇る愛媛が期間内で2勝、香川は夏の大会で4年連続初戦敗退と結果がでていない。
・九州沖縄
 期間内の成績は22勝32敗、勝率.407と芳しくないものとなった。この原因としては先にも述べたように、常連校が甲子園に出場できなかった、また続けて出場する実力を備えた学校が少なかったことが挙げられるだろう。期間内の出場経験校は関東と並んで最多の28校。これらの学校の多くは目覚ましい結果をまだ残していない。しかし甲子園での経験を多くの学校が得ていることも事実。来春以降続けて甲子園に戻ってくる学校が増えれば一気の成績回復も望めるのではないだろうか。

Jリーグ 監督交代の効果はあるのか

 8月1日付で清水の大榎監督が成績不振を理由に監督を辞任した。これで今季J1・J2リーグにおけるシーズン途中での監督交代は8人目となった。名門クラブだからこその成績不振、残留争いに伴うもの、さらにはクラブ内でのトラブル…監督交代には様々な要因が絡んでいると思われるが、果たしてその効果は出ているのだろうか。シーズン途中の監督交代を過去5年分振り返り、その成果を検証してみたい。

■珍しくない? シーズン中の監督交代

 2010年シーズン~今シーズン途中までに、合計44回もの交代が行われていた(表1参照)。最多は大宮の4回で、神戸、京都、C大阪がそれぞれ3回ずつで続く。これらのチームに至っては、2年に1回ペースでシーズン中の監督交代を行っている計算になる。また、交代を行ったチーム数でも27チームが監督交代を行っており、これは全所属チームの63%にあたる(2010年以降のJ1・J2には合計43チームが存在)。もはやシーズン途中の監督交代は珍しいものではないと言える。

表1

 J1とJ2のこれまでの監督交代を表2にまとめた。左が前任監督で、右が後任監督となっており、それぞれの色分けは以下の通り。

表2-1

表2-2

表2-3 J1人事

・各カテゴリーのシーズン通算平均勝点以上を獲得している監督が「オレンジ」:シーズン最終順位が中位程度の勝点ペース
・シーズン通算で10位以下に位置する平均勝点の監督を「黄」:同10位以下になるペース

■理由は成績不振が60%

 これに従うと、J1・J2ともに約60%が成績不振を理由に交代していることが分かる。そして監督交代後に「黄」から「オレンジ」に変わっているチームがどれだけあるかというと、J1で6チーム(全15チーム)、J2では3チーム(全11チーム)という結果となっている。両リーグ合わせると成績不振を理由に監督交代したチームの3割が多少の持ち直しといえる勝点を積み上げられている。

 その中で、降格回避などの状況を差し引いた、勝点という観点だけで最も「立て直した」と言えるのは2015年鹿島の石井監督。交代後、2戦2勝で負けなし(表2-3参照)。また、平均勝点「1.72」(34試合換算で最終順位6位程度の勝点に相当)を挙げている甲府の佐久間監督も現在のところ成功と言えるだろう。

 今シーズンに限って言えば、上記の2人に水戸の西ケ谷監督が「立て直している」と言えるだけの勝点を挙げている。

■J2降格を免れたのは何チーム?

 また、監督交代で一番多い目的と言えるのが「J2降格圏脱出」だろう。表3にあるように過去5年に行われた監督交代のうち、降格圏内で引き継いだケースが13回。うち8回で降格という結果になっており、いかに降格圏での引継ぎからチームを立て直すのが難しいかが分かる。

表3 人事人数

 以上のように、勝点という観点では効果を発揮している監督は少数だと言えそう。それだけシーズン途中からチームを立て直すことが難しいということだろう。次項では、監督交代に見られる傾向をまとめた。

■監督交代あれこれ

 表4-1では、前任・後任としてそれぞれの場面での監督の登場回数をカウントした。前任監督としては、和田昌裕、鈴木淳、そして岡本武行(代行)がそれぞれ2回。一方の後任監督としては、先述の佐久間悟、関塚隆らが同じく2回監督に就任している。岡本、安達は代行として、佐久間はシーズン最後まで引き継ぐ形で後任監督として登板する流れがそれぞれのチームの流れとしてあるようだ。

 続いて表4-2、4-3ではJ1・J2の監督交代人事最短ベスト3をまとめた。これらを比較して分かるのは、J1の方が早い段階で監督交代に踏み切っているということ。即座に動けるという意味では金銭的な問題もあるだろうが、そこには「J2に落ちたくない」という考えが見え隠れする。

表4-1 

表4-2

表4-3

夏の甲子園、49校を「強豪校」撃破数で紹介

 6日に開幕する夏の甲子園、各都道府県大会を勝ち抜いた49校が今年も暑い戦いを繰り広げる。みなさんも地元やふるさとのチームの活躍を心待ちにされていることだろう。ここでは出場49校を紹介していくのだが、この原稿ではよくあるチーム打率、チーム防御率といった予選でのチーム成績や、A~Cの総合評価という形ではなく、「強豪校にどれだけ勝っているか」という視点で紹介を行いたい。ただ「強豪校」といってもその定義はさまざまだ。そこで今回は「強豪校」を、「2000年以降に春か夏の甲子園に出場したチーム」と定義し、49代表が昨秋以降に戦った全公式戦で何チームの強豪校から勝利しているかを調査した。
※以降の文中での「強豪校」はすべてこの定義によるものである。 その結果が表1~3となる。以下では勝利数の少ない順に49校を1校ずつ紹介していきたい。なお調査の対象試合は昨年秋の都道府県大会(以下「秋」)、秋の地区大会、神宮大会、選抜、春の都道府県大会(以下「春」)そして今回の夏の予選(以下「夏」)の6大会である。
表1

表2

表3
※以下()内は勝利した強豪校名

■茨城/霞ヶ浦 0勝

秋は準々決勝で敗退、春は2回戦の守谷戦で敗れ、強豪校との対戦は一度もなかった。夏も県内の強豪校である常総学院や藤代とは対戦がなく、秋以降初めての甲子園出場経験校との対戦は決勝の日立一戦だった。

■埼玉/花咲徳栄 0勝

秋に準決勝で浦和学院、春は準々決勝で聖望学園という強豪校と対戦し敗れている。夏はその聖望学園、浦和学院がともに対戦直前の試合で敗退、その聖望学園に勝った松山と、浦和学院を破った白岡に勝って代表校となった。

■島根/石見智翠館 1勝(勝利した強豪校:立正大淞南)

秋は初戦敗退、春も地区予選での1勝のみと振るわなかったが、夏は準々決勝で夏2回出場の強豪校・立正大淞南を破り、準決勝では秋に敗れた大社、決勝では秋8強、春4強の大東に勝って甲子園出場を決めた。

■北北海道/白樺学園 2勝(帯広三条、旭川実)

 秋は準々決勝で札幌日大、春は準決勝で駒大苫小牧と南北海道の強豪校に敗れたが、秋以降の公式戦で北北海道の学校には全勝している。夏は2010年夏代表の旭川実との決勝となったが13-4で圧勝した。

■青森/三沢商 2勝(聖愛、八戸学院光星)

 夏に八戸学院光星、聖愛を破って29年ぶりの甲子園出場を果たした。八戸学院光星は秋の東北大会4強、春の東北大会準優勝、聖愛は秋、春ともに東北大会で8強と2校とも東北でもトップクラスのチーム。この2校相手に別々の先発(八戸学院光星戦は野田投手、聖愛戦は冨田尭投手)の完投で勝っており投手力はかなりのレベルだ。

■福島/聖光学院 2勝(福島商、日大東北)

9年連続の夏優勝となった。2000年以降に福島から夏の甲子園に出場したチームは聖光学院のほかには光南と日大東北、福島商だけ。春はその福島商に準決勝で勝利、夏は決勝で日大東北を下した。県外の強豪校との対戦は春の東北大会での花巻東戦(4-7で敗戦)のみ。

■石川/遊学館 2勝(金沢に2勝)

 秋3回戦で敗れた強豪校の金沢に春、夏ともに決勝で対戦し連勝した。ほかの県内の強豪校である星稜や日本航空石川とは秋以降一度も対戦がなかった。

■滋賀/比叡山 2勝(北大津、近江)

 秋は3回戦、春は1回戦で敗退していたが、夏は準々決勝で秋の近畿大会8強、春の近畿大会準優勝の北大津に勝利、決勝では2000年以降の甲子園に夏6回、春3回出場している県内屈指の強豪校・近江を下して優勝した。

■兵庫/滝川二 2勝(関西学院、社)

 秋は3回戦で2009年夏代表の関西学院に勝利した。春は出場を辞退したが、夏は5回戦で2004年選抜4強の社に1-0で勝利、準々決勝以降はすべて甲子園未経験校との対戦だった。

■岡山学芸館 2勝(玉野光南、創志学園)

 秋は地区予選で敗退、春は興譲館(春の中国大会優勝)に1回戦で敗れていたが、夏の大会では準決勝で玉野光南、決勝で創志学園と強豪校を連続で下して夏の甲子園初出場を決めた。

■宮崎日大 2勝(佐土原、聖心ウルスラ)

 秋は2回戦で2004年夏代表の佐土原を破ったが、準決勝で2005年夏代表の聖心ウルスラと対戦し敗退した。その聖心ウルスラは秋の九州大会で2回戦まで進出している。夏の大会では聖心ウルスラと準決勝で再戦、2-1で勝って雪辱を果たした。

■鹿児島実 2勝(尚志館、神村学園)

2013年秋以降、県大会準々決勝の壁に阻まれていたが、夏の大会では春準々決勝の再戦となった出水中央戦に1-0で勝利、準決勝では2015年選抜に出場した強豪校の神村学園を1点差で退けている。

■秋田商 3勝(角館、大曲工、本荘)

 秋は準決勝で2015年選抜出場の大曲工に敗戦、春はその大曲工に準々決勝で勝利、3位決定戦では2014年夏代表の角館を破って春の東北大会出場を決めた。その東北大会では1回戦で強豪校の盛岡大付に1-2と惜敗している。夏は強豪校との対戦が1試合もないまま甲子園出場を決めた。

■西東京/早稲田実 3勝(日大三に2勝、東海大菅生)

 秋は1回戦、夏は準決勝で強豪校・日大三と対戦、ともに勝利した。秋はその後、準々決勝の法政戦で敗退、春は強豪校・関東一と準々決勝で対戦し11-18で敗れている。夏の決勝の相手は春夏連続の甲子園出場を目指した東海大菅生だったが8-6で逆転勝利した。

■岐阜城北 3勝(県岐阜商、市岐阜商、大垣日大)

 今年の選抜に出場した県岐阜商とは秋の県大会予選と準々決勝で2度対戦、プロ注目の高橋投手が登板しなかった予選では3-1で勝利したが、高橋投手が登板した準々決勝は0-11で敗れ選抜出場への道を絶たれた。夏はその県岐阜商に勝利した斐太に決勝で勝利、準決勝では強豪校の大垣日大にも勝利している。

■富山/高岡商 3勝(滑川、富山商、新湊)

 秋、春ともに準々決勝で敗退、春の準々決勝は一昨年夏の甲子園で8強入りした強豪校の富山第一戦で延長10回10-11の激戦だった。夏は準々決勝で昨夏甲子園16強の富山商、準決勝で2011年夏の甲子園16強の新湊を破っている。

■広島新庄 3勝(瀬戸内、広陵、如水館)

 直近の夏15代表うち12回を瀬戸内(2回)如水館(4回)広陵(6回)の3校が占めていたが、昨秋以降その3校すべてから勝利を挙げている。瀬戸内戦は秋3回戦、広陵戦は秋準決勝、如水館戦は夏準々決勝とすべて甲子園出場のかかった重要な試合での勝利だった。

■山口/下関商 3勝(早鞆に2勝、宇部商)

 秋は準々決勝で敗戦、春は2015年選抜に出場した宇部鴻城に1-9で大敗した。夏の大会では3回戦で2012年選抜出場の早鞆、準決勝では2000年以降5度甲子園出場の強豪校・宇部商に勝利している。

■香川/寒川 3勝(三本松、英明、丸亀城西)

 秋の1回戦で秋と春の四国大会を制し、神宮大会、選抜にも出場した四国屈指の強豪校・英明と対戦し0-6で負け、しかし夏の準決勝で再戦すると、1-3の8回裏に3点を挙げて逆転勝ちを果たした。昨秋以降四国で無敵だった英明戦の勝利は非常に評価される点だ。決勝では2005年夏代表の丸亀城西から20点を奪って圧勝している。

■岩手/花巻東 4勝(一関学院に2勝、聖光学院、専大北上)

 秋は勝てば甲子園出場に大きく近づく試合だった東北大会準々決勝で、大曲工と対戦し延長再試合の末に敗戦、春は東北大会準々決勝で強豪校の聖光学院に勝ったが、準決勝で同じく強豪校の八戸学院光星戦で敗れた。春の東北大会4強の一関学院とは秋、春、夏とすべて県大会決勝で対戦し2勝1敗。

■鳥取城北 4勝(鳥取西に2勝、倉吉北、米子北)

 春は第1回夏の甲子園出場校で2005、2008年にも出場している鳥取西に勝利したが、2回戦で敗退。夏は1回戦で倉吉北(2006夏出場)、準々決勝で米子北(2015選抜出場)、決勝では再び鳥取西に勝利、強豪校に3勝して2年ぶりに夏の甲子園出場を決めた。

■徳島/鳴門 4勝(小松島に2勝、松山東、城南)

 秋の四国大会1回戦で2015年選抜出場の松山東に勝利、準々決勝では秋、春の四国王者・英明に敗れた。春は小松島、城南と強豪校に2勝して優勝している。

■高知/明徳義塾 4勝(高知3勝、高知商)

 秋の決勝、春の準決勝、夏の決勝で高知に3連勝している。しかし四国大会では秋準決勝の今治西戦、春1回戦の英明戦といった強豪校との試合で敗れている。県外のチームとの対戦では秋準々決勝の松山聖陵(甲子園出場なし)戦でしか勝っていない。

■沖縄/興南 4勝(沖縄尚学に2勝、美里工、糸満)

 甲子園優勝2回、昨夏の甲子園でも8強に残った沖縄尚学とは春と夏の準決勝で対戦しいずれも2点差で勝利した。春の準々決勝では2014年選抜出場の美里工、夏の決勝では2015年選抜出場の糸満にも勝利している。九州大会では春の初戦だった2回戦で強豪校の福岡工大城東に3-4で惜敗した。

■福岡/九州国際大付 4勝(大牟田、唐津商、樟南、佐世保実)

 秋は県大会予選となる福岡北部大会2回戦で早々に姿を消した。春は県3位決定戦で大牟田、九州大会で樟南、佐世保実と強豪校から勝利している。夏は強豪校との対戦がなくシード校との対戦も準決勝の小倉(春は5回戦、秋は福岡北部3回戦で敗退)だけと若干相手にも恵まれた。

■京都/鳥羽 5勝(福知山成美、京都外大西、京都成章、京都翔英、立命館宇治)

 第1回夏の甲子園優勝校。秋は福知山成美、京都外大西、京都成章と強豪校に3勝し近畿大会に出場したが、選抜に出場した奈良大付戦で敗退した。夏は龍谷大平安を破った京都翔英にコールド勝ち、決勝では秋の近畿大会準優勝で、選抜出場の立命館宇治にも勝利している。

■愛知/中京大中京 5勝(豊川、愛知啓成、愛産大三河、東邦、愛工大名電)

 夏の準々決勝以降は強豪校との3連戦となったが、愛産大三河に5-1、東邦に10-3、愛工大名電に4-3で勝利して甲子園出場を決めた。秋と春は県大会で敗れて東海大会には出場していないが、秋の2回戦では2014年選抜4強の豊川にも7-0で快勝している。

■三重/津商 5勝(伊勢工、菰野、三重、四日市工、いなべ総合)

 決勝で秋の東海大会4強、春の東海大会準優勝のいなべ総合を破って初出場を決めた。いなべ総合は春の東海大会決勝で選抜8強の静岡とも1-4の接戦を演じた東海地区の強豪だけに価値のある勝利だった。昨夏甲子園準優勝の三重には春の準決勝で、2000年以降3度甲子園に出場した菰野と四日市工からも勝ち星を挙げている。

■智弁和歌山 5勝(近江、桐蔭、市和歌山、簑島、和歌山商)

 秋は初戦となった準々決勝、日高中津戦でまさかの敗戦を喫した。春の大会ではその日高中津に決勝で勝ち近畿大会に出場、1回戦で強豪校の近江に勝ったが、準決勝で神戸国際大付に敗れた。夏は5試合すべて甲子園出場経験校との対戦だったが、5試合を5失点の安定した内容で勝ち上がった。

■長崎/創成館 5勝(波佐見に2勝、長崎海星に2勝、佐世保実)

2011、14年夏代表の長崎海星と2度、2012、13夏代表で春の九州大会8強の佐世保実とは1度対戦しすべて勝利した。2011年選抜出場の波佐見にも秋と夏の準々決勝で対戦して勝利を挙げている。

■千葉/専大松戸 6勝(拓大紅陵に2勝、銚子商、成田、木更津総合、習志野)

 秋は関東大会でも1勝した松戸国際に県大会2回戦で敗れたが、春は2回戦でその松戸国際、3回戦で成田、準々決勝で拓大紅陵を破って関東大会に進出、初戦の健大高崎戦で敗退したが7回まではリードを奪い3-5の惜敗だった。夏は春にも勝った拓大紅陵、2015年選抜出場の木更津総合、2011年夏の甲子園8強の習志野といった強豪校を破っての優勝。

■東東京/関東一 6勝(小山台、桜美林、国士舘、早稲田実、日大豊山、帝京)

 秋は桜美林、国士舘の強豪校を退けたが、準決勝で2015年選抜出場の二松学舎大付に1点差で惜敗、春は準決勝で日大三に敗れたが、夏は準決勝の帝京戦以外は強豪校との対戦がなくすべての試合で5点差以上をつけて圧勝した。

■大阪偕星 6勝(東大阪大柏原、金光大阪、上宮太子、東海大仰星、大阪桐蔭、大体大浪商)

 なんといっても夏の準決勝、大阪桐蔭戦の勝利は特筆すべき勝利だった。大阪桐蔭が公式戦で履正社以外の府内のチームに負けたのは2011年夏決勝の東大阪大柏原戦以来の出来事だった。大阪偕星はこの一戦だけでなく、5回戦で東海大仰星、決勝で大体大浪商、春にも東大阪大柏原、金光大阪、上宮太子と府内の強豪校からも勝利しておりその実力は本物だ。

■東海大相模 7勝(慶応から2勝、桐光学園、甲府工、作新学院、日大藤沢、横浜)

 秋は準決勝で平塚学園に敗れて選抜出場を逃した。春の大会は慶応、桐光学園の強豪校を破って優勝し、関東大会でも甲府工、作新学院に勝利したが準決勝で2015年選抜4強の浦和学院に敗れている。夏は決勝の横浜戦に9-0と圧勝するなど、7試合で5失点のみ。リードを許したのも3回戦(対住吉)の1回表終了時だけだった。

■東海大甲府 7勝(甲府工から2勝、日本航空から2勝、甲府商、山梨学院大付、都留)

秋、春、夏の県大会すべてに優勝した。県内の強豪校である甲府工、日本航空、甲府商、山梨学院大付、都留から勝ち星を挙げ、対戦のなかった県内の強豪校は日川と市川だけだった。ただ県外のチームとの対戦では秋の関東大会1回戦で千葉黎明に勝利しただけで、秋準々決勝の浦和学院、春初戦の佼成学園戦では敗れている。

■山形/鶴岡東 8勝(羽黒から3勝、山形中央から2勝、酒田南から2勝、聖愛)

 2000年以降で夏8回、春1回出場の酒田南、夏2回、春2回出場の山形中央からそれぞれ2勝を挙げ、2005年選抜4強の羽黒とは4試合で3勝、夏決勝では13-2で圧勝した。県内での実力は抜きんでている。2度出場した東北大会では秋に聖愛(秋、春東北大会8強)から勝利し、大曲工(2015年選抜出場)に惜敗、春は準々決勝で一関学院に0-1で敗れた。

■新潟/中越 8勝(十日町から2勝、日本文理から2勝、新発田農、星稜、新潟県央工、上田西)

 2000年以降に夏7回出場、2009年には準優勝、昨年は4強と甲子園でも結果を出している日本文理と秋と夏の決勝で
対戦し、それぞれ5-2、7-2で快勝した。秋の北信越大会では昨夏の甲子園16強の星稜からも勝利、春の北信越大会では2回戦で今大会の長野代表・上田西に勝利、準決勝では選抜優勝校の敦賀気比とも対戦した(0-9で敗戦)。北信越地区では上位の力があるのは間違いない。

■佐賀/龍谷 8勝(鳥栖、伊万里農林、神村学園、福岡工大城東、九州国際大付、九産大九州、佐賀商、唐津商)

秋の大会では準々決勝で敗れ強豪校からの勝利もなかったが、春は快進撃をみせた。佐賀大会の4勝はすべて甲子園出場経験校からでうち2校は強豪校、九州大会でも2015年選抜出場の神村学園と九産大九州、春の福岡大会優勝の福岡工大城東、2011年選抜準優勝でこの夏も出場する九州国際大付と強豪校から4連勝して九州王者に輝いた。この夏も準決勝で甲子園優勝校の佐賀商を破っている。

■南北海道/北海 9勝(北照から3勝、駒大苫小牧から2勝、北海道栄から2勝、札幌日大、札幌南)

 昨秋からの敗戦は1つだけ、これは今大会出場校のなかで最少だ。唯一の敗戦は秋の決勝となった東海大四戦。2-3で惜敗したが、勝った東海大四はその後選抜で準優勝を果たした。春以降は道内で無敗、2014年選抜出場の駒大苫小牧と2013年夏出場で、この夏の準決勝では東海大四を下した北照から2勝ずつ挙げている。

■栃木/作新学院 9勝(国学院栃木から2勝、文星芸大付から2勝、宇都宮工、聖望学園、日大三、白鴎大足利、小山西)

 秋は準決勝で宇都宮南に敗れたが、春1回戦で強豪校の文星芸大付を破ると、決勝では同じく強豪校の国学院栃木を撃破、関東大会でも聖望学園、日大三と県外の強豪校にも勝利した。夏は3回戦以降がすべて強豪校という厳しい巡りあわせになったが、準々決勝の文星芸大付が3点差、そのほかの試合はすべて7点差以上をつける快勝で甲子園に駒を進めている。

■長野/上田西 9勝(佐久長聖から2勝、松商学園から2勝、長野工2、丸子修学館、富山第一、創造学園)

 春の北信越大会で選抜優勝の敦賀気比に勝った佐久長聖と3度対戦し2勝、夏の決勝は2-1の辛勝だった。そのほかにも2015年選抜出場の松商学園とも3戦して2勝、春の北信越大会では強豪校の富山第一からも勝利を挙げている。

■熊本/九州学院 9勝(鎮西、秀岳館、熊本工、長崎海星、中部商、九産大九州、糸満、敦賀気比、必由館)

 秋の熊本大会で強豪校の鎮西、秀岳館、熊本工を倒し優勝、九州大会でも長崎海星、中部商、九産大九州、糸満と次々に強豪校を破って優勝、明治神宮大会でものちに選抜で優勝する敦賀気比に快勝した。しかしセンバツでは1回戦で八戸学院光星に大敗、春の九州大会でも初戦の佐世保実戦で敗退した。夏は危なげなく甲子園出場を決めたものの強豪校との対戦は3回戦の必由館戦だけだった。

■大分/明豊 9勝(杵築から2勝、大分商から2勝、柳ケ浦から2勝、聖心ウルスラ、楊志館、日田林工)

 秋と夏の大分大会王者、秋は九州大会2回戦で聖心ウルスラを退けたが、勝てば選抜当確となる準々決勝の糸満戦では6-9で敗れている。夏は初戦で強豪校の楊志館を破ると、日田林工、柳ケ浦、大分商と強豪校から勝利して甲子園にたどり着いた。

■奈良/天理 10勝(智弁学園から2勝、奈良大付、報徳学園、大阪桐蔭、龍谷大平安、立命館宇治、糸満、桜井、大和広陵)

 秋は県大会で智弁学園、奈良大付、近畿大会で報徳学園、大阪桐蔭、龍谷大平安といった強豪校を破って優勝、選抜でも糸満から勝利を挙げた。春の大会こそ高田商に不覚をとったものの、夏は初戦で再び智弁学園から勝利を挙げると、その後の試合はすべて5点差以上をつけて勝ち優勝した。近畿勢ではトップクラスの実力であることは疑う余地がないところだ。

■静岡 11勝(土岐商から2勝、静岡商、静岡市立、県岐阜商、立命館宇治、木更津総合、浜名、東海大静岡翔洋、津商、いなべ総合)

 秋の県大会、東海大会、春の県大会、東海大会すべてを制し東海地区では圧倒的な実力を誇っている。選抜でも立命館宇治、木更津総合を破って8強入り、敦賀気比戦の敗戦も3-4の1点差だった。夏の大会では初戦の日大三島戦、続く清水西戦で僅差の試合となったが、以降は危なげなく勝ち進んだ。今大会の優勝候補の一角であることは間違いない。

■愛媛/今治西 11勝(今治北から2勝、松山東から2勝、丹原、宇和島東、川島、明徳義塾、桐蔭、徳島商、小松)

 秋と夏の愛媛大会に優勝、四国大会ではいずれも英明に敗れた四国ナンバーツーともいえるチーム。秋の大会では今治北、宇和島東、松山東、川島、明徳義塾と数多くの強豪校を倒している。夏も準決勝までの4試合で24得点3失点と問題なく勝ち進み、決勝では昨夏の代表校小松に4-3で勝利した。

■群馬/健大高崎 12勝(桐生第一から3勝、前橋育英、宇部鴻城、天理、桐生市商、日本航空、専大松戸、国学院栃木、前橋工、前橋商)

 県内での敗戦は春決勝の前橋育英戦だけ。秋は関東大会でも2勝を挙げ4強、春の関東大会も日本航空、専大松戸、
国学院栃木と強豪校を破って4強入りした。選抜でも中国王者の宇部鴻城、近畿王者の天理から勝利を挙げておりその実力は全国トップクラスだろう。

■宮城/仙台育英 12勝(仙台西、東北、利府、東稜、一関学院、日大東北、八戸学院光星、天理、九州学院、浦和学院、神村学園、古川工)

 秋、春、夏の県大会と秋の東北大会を制し、神宮大会も優勝している。東北大会では八戸学院光星、神宮大会では天理、浦和学院と選抜でも勝利を挙げたチームから勝利しており、実績は十分だ。ただ春の東北大会では初戦で盛岡大付に敗れている。県内での力は飛び抜けていて、夏はすべての試合で9点以上を奪い、6試合中5試合が2失点以下と圧勝続きだった。

■福井/敦賀気比 12勝(福井工大福井から2勝、富山第一、松商学園、英明、奈良大付、仙台育英、静岡、大阪桐蔭、東海大四、金沢、中越)

 秋は県の決勝で福井工大福井に敗れたが、北信越大会の3試合すべてに圧勝し優勝、選抜では神宮大会優勝の仙台育英、東海王者の静岡、2014年夏優勝の大阪桐蔭、北海道王者の東海大四と各地区のトップチームを倒して優勝した。春以降も県大会優勝、北信越大会で準優勝と勢いは衰えていない。史上8校目の春夏連覇はなるだろうか。

混戦セ・リーグ、勝つのは強力リリーフのヤクルトだ

 依然として混戦の続くセ・リーグ、現在はヤクルトが首位に立っているものの4位DeNAとのゲーム差は3.5、最下位中日でもまだ7ゲーム差しかつけられてない。いったいこの混戦を抜け出すのはどのチームなのか。これだけ各チームのゲーム差が小さい状況では1勝の差が順位を大きく左右することになる。これからの終盤戦では「勝てそうな試合」を最も多く勝ちにつなげたチームが優勝に近づくことになるだろう。そこで今回は「勝てそうな試合」つまりリードして終盤を迎えた試合を各チームがいかに戦っているのかを、救援投手の起用法とその結果を検証することで明らかにし、この混戦を抜け出すチームはどこなのかを探っていきたい。

ではまずは表1をご覧いただきたい。これは6回以降のイニングでリードが3点以内の試合、つまり「勝てそうな試合」で、各チームが継投を行った際に登板した投手を登板イニングごとにまとめたものである。この表を見ていくことで、それぞれのチームの継投策の特徴が見えてきた。以下ではそれをチームごとに紹介する。
表1
■ヤクルト:6回の登板数はリーグトップの10回、勝ちゲームで継投に入るのが最も早いチームである。ペナント序盤は徳山、その後は松岡がこの役目を担っており、場合によってはロマン、オンドルセクの2人も早いイニングで投入している。7回、8回の2イニングは主力の中継ぎである秋吉、ロマン、オンドルセクが順不同で投入され、抑えのバーネットが8回から登板したケースも3度あった。全体としては9回がしっかり固定されており、その前の2イニングを主力3投手が入れ替わりで担当、余裕があれば6回から主力を登板させることもいとわないという形になっている。結果として特定の投手に負担が偏っておらず良い形になっているといえるだろう。

■阪神:6回から継投に入ったのはわずかに1回、開幕直後の4月16日に島本が登板したケースだけである。以降は僅差のリードであれば少なくとも先発が7回までは投げる形をとっている。その7回も継投が行われたのは10回だけ。8回は大半の試合で福原が担当し、9回は完全に呉昇桓が固定されている。接戦では先発→福原→呉昇桓、まれに高宮を挟むという以外の形はほとんどないといってよい。役割が完全に固定されている点は評価できる点であるが、裏を返せば層が薄いということでもある。仮に福原、呉昇桓のどちらかが離脱するようなことがあれば即非常事態となるのは避けられない。

■巨人:近年チームを支えた山口、マシソン、西村という形から今季は西村が抜け沢村が加わっている。その沢村はリリーフ転向1年目ながらセーブシチュエーションで継投を行った23回のうち22回で登板、守護神の座にしっかり座っている。8回はマシソンと山口、7回はほぼ山口が投げており主力3人以外の投手が接戦の終盤に登板することはまれだ。

■DeNA:接戦で起用した投手数は11人と断然のリーグ最多、役割が固定されている投手はほとんどいない。その中でルーキーの山崎康だけはしっかりと9回に定着し、安定しない陣容の中で唯一ポジションを確立している。そのほかの投手は取っ替え引っ替えという言葉がぴったりくる状況、8回はエレラの10回を筆頭に田中、林など6投手、7回は長田の4回を筆頭に7投手を起用と、同じポジションで使い続けられている投手がほとんどいない苦しい台所事情になっている。今後勝ち抜くためには1人でも多く信頼を寄せられる投手を見つけていくことが不可欠だろう。

■広島:全体的に救援投手の起用数が少なく、「継投で勝つチーム」ではない様子がうかがえる。現在の守護神である中崎もセーブシチュエーションの9回から登板したのはまだ14試合に過ぎない。試行錯誤が続くのはセットアッパーも同様で、当初は中崎が務め、その後は一岡、永川、開幕時は守護神を務めていたヒースが少しずつ担当するも長続きせず、現在は先発から配置転換された大瀬良が務めている。このような状況では先発を引っ張らざるを得ず7回から継投に入ったのはリーグ最小の9回。7回から登板した投手が8回も投げるいわゆる「イニングまたぎ」を行うケースも目立ち、信頼できる救援投手の不足は明らかだ。

■中日:接戦で起用された投手はリーグ最小の6人と固定されたメンバーでここまでを戦ってきた。ただ役割は固定できておらず、6、7、8回を又吉、田島の2人を順序が定まらない形で投入するという形になってしまっている。守護神の福谷も負け試合で登板することが増えていて、メンバーは固定だが起用法は固定できない状況だ。結果として又吉、田島への負荷が高い起用になっている。実績のある浅尾、高橋聡らがもうすこし勝ち試合で登板できる状態にならないと今後も苦しいだろう。

 ここまでで各チームの起用法を見てきた。次はその結果を検証していきたい。表2は6回以降リードが3点以内という状況で登板した投手が救援に成功した回数、失敗した回数をまとめたものである。なお今回は登板した投手がリードしている点差以上の失点を喫した、つまり同点または逆転を許した登板を失敗としてカウントしている。
表2
最も失敗の少なかったのは巨人、ヤクルトの2チームだ。巨人は主力3投手がそれぞれ1度は失敗しているものの、そのほかの投手は宮国の1度だけ。主力ではない救援投手が好結果を残している。主力3投手も成功率は90%以上であり、全体的に安定感のあるリーグ内では上位の救援陣といえるだろう。
そして現状ではリーグ最高の結果を残しているのがヤクルトだ。守護神のバーネットはいまだ救援失敗がゼロ、さらにロマンも成功率は100%で新外国人のオンドルセクも失敗は1度だけ。この3人が登板すればほぼ勝てるという状況が出来上がっている。さらに秋吉もここまで失敗は1度、フレキシブルに起用されることの多い秋吉が信頼感を得ていることで外国人3投手に過度の不可がかかることを防ぐことが可能になっている。
 阪神は失敗が6度とまずまずの結果、しかし不動の守護神である呉昇桓が4度も救援失敗しているのは痛い。ペナントレースがここまでの接戦になると9回の救援失敗は最終的に致命傷になりかねない。守護神には100%に近い結果が求められるだけに今後の立て直しは必須だ。ほぼ唯一の勝ちパターン中継ぎである福原はここまで失敗が1回だけ。ここまでの結果は完ぺきだが、昨シーズンは9月に防御率8.64と苦しんだ。福原のバックアップの確保が今後最も重要だ。DeNAは山崎康の安定感が光るものの、そのほかの投手が計8度の失敗、失敗を経験した投手はリーグ最多タイの6人に上り、いろいろな投手を試しては万遍なく失敗させているともいえる状態。今後はもうすこし我慢強い起用も必要となってくるのではないだろうか。
広島と中日は苦しい結果となった。広島は守護神を務める中崎が20登板で4度の失敗、成功率80%は10度以上起用された投手の中ではワースト2位、現セットアッパーの大瀬良も6登板で2度失敗とまだまだ適応したとはいえない状態だ。一方投球内容の不安定さもあって重要な場面で起用されなくなったヒースだが、救援の失敗はまだ0回、リードしているケースでは結果を残している。中崎、大瀬良に過度の負担がかかる現状を踏まえると起用法に再考の余地はあるのではないか。中日はリーグ最多の11度も救援に失敗している。とくに又吉は成功率がリーグワーストの75%と4回に1回はリードを守れていない。福谷、又吉、田島の3人で9度の失敗がありながら、この3人以外の投手が登板したのは7度だけ。メンバーと役割を固定することも重要ではあるが、彼ら以外の救援投手を探し、育てることも必要なのではないか。

ここまででお分かりいただけたように救援投手陣という観点ではヤクルトに最も分があるといえるだろう。実際に週末の中日3連戦でもすべて3点差以内の接戦となったが、3試合とも継投で勝利につなげた。救援投手の起用法からは無理使いに対する対策もうかがえており、疲れによる失速の可能性もリーグ内では最も低いだろう。もともと打撃力には定評があり、バレンティンの復帰という最大の上積みも残している、現状では最もペナントに近いチームといえるだろう。

「BS12ch TwellV」が「BS12 トゥエルビ」に名称変更

ワールド・ハイビジョン・チャンネル株式会社は7月31日、「BS12ch TwellV」というチャンネル名を10月1日から「BS12トゥエルビ」に変更すると発表しました。これは、視聴者からの「TwellV」は読みにくいという意見を鑑みた結果ということです。ロゴの変更はありませんが、弊社から配信する番組表や解説記事なども、10月からは「BS12トゥエルビ」となります。

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